2026-06-22 これから日本は何を売っていくのか? ~日本ブランドという価値を意識して作り出そう~
<日本の最大の輸出品は何か?>
皆さんは、日本の最大の輸出品は何だと思いますか?
多くの方は、自動車と答えるのではないでしょうか。
実際、日本の完成車輸出額は年間20兆円を超え、今なお日本を代表する輸出産業です。戦後の日本は、自動車、家電、鉄鋼などの高品質な工業製品を世界へ輸出することで成長してきました。
もちろん、自動車産業が重要であることは今後も変わらないでしょう。しかし、日本の強みはそれだけではなくなってきているように感じるのです。
一方で、観光庁の発表によると、訪日外国人による旅行消費額は2024年に約8兆円、2025年にはさらに増加し約9.5兆円に達する見込みです。
コロナ前の2019年が約4.8兆円だったことを考えると、わずか数年で約2倍の規模へ成長しています。
インバウンド消費は厳密には輸出ではありませんが、海外から日本へ外貨を呼び込むという意味では、輸出と非常によく似た効果があります。
これは、自動車に次ぐ巨大な外貨獲得産業と言っても過言ではありません。
<外国人が買っているのは「日本という体験」>
ここで興味深いのは、外国人が日本で何にお金を使っているかです。
彼らは日本に来て、自動車を買って帰るわけではありません。
日本食を楽しむ。温泉に入る。神社仏閣を巡る。アニメや漫画の聖地を訪れる。
そして、安全で清潔な街を安心して歩く。
つまり彼らが購入しているのは、「日本という体験」なのです。
<日本人が気づいていない日本の価値>
私たちは日本に住んでいるため、普段は気づきにくいのですが、海外から見ると日本はかなり特殊な国です。
夜中に女性が一人で歩ける。
落とした財布が戻ってくる。
コンビニのトイレが清潔。
水道水がそのまま飲める。
電車がほぼ時刻通りに来る。
これらは海外では決して当たり前ではありません。
むしろ世界的に見れば、こうした環境を維持できている国の方が少数派です。
私たちは長年、「治安の良さ」や「清潔さ」を当たり前のものとして受け取ってきました。
しかし世界が不安定化する中で、これらは非常に価値の高い資産になりつつあります。
<コンテンツが日本ブランドを育てる>
もう一つ見逃せないのがコンテンツです。
私が子供の頃、日本のアニメは一部のマニア向けという印象がありました。
しかし現在は違います。
ポケモン、ドラゴンボール、ワンピース、ナルト、ジブリ作品。
世界中の人が知っています。
ゲームも同様です。
日本のコンテンツは、もはや単なる娯楽ではなく、日本という国への興味を生み出す入口になっています。
実際、「アニメを見て日本に興味を持った」という外国人は珍しくありません。
コンテンツが観光を呼び、観光が日本食や文化への興味を生み、その体験がさらに日本ブランドの価値を高める。
そんな好循環が生まれています。
<あらゆる業種が日本ブランドの担い手になる>
こうした話をすると、「観光業やエンタメ業界など特定の業界の話でしょう」と思われるかもしれません。
しかし私はそうは思いません。
これからの時代は、あらゆる業種が日本ブランドの恩恵を受ける可能性があります。
例えば、
日本製であること。
日本品質であること。
日本の技術であること。
日本のサービスであること。
これらに対する信頼は、海外で非常に高い評価を受けています。
大企業だけではありません。
中小企業であっても、日本ブランドの一部として価値を発揮できる時代になりつつあります。
<信頼そのものが輸出品になる>
私は今後、日本が最も強みを発揮できるのは「信頼」ではないかと思っています。
契約を守る。
約束を守る。
品質を守る。
時間を守る。
誠実に対応する。
当たり前のことですが、世界中で当たり前にできているわけではありません。
AIが発達し、世界がますますデジタル化していく時代だからこそ、人や企業への信頼は逆に価値を増していきます。
日本ブランドの本質は、製品そのものではなく、その裏側にある信頼性だと思います。
<これからの日本が世界に売るもの>
戦後の日本は、自動車や家電を輸出することで成長してきました。
しかしこれからの日本は、それだけではありません。
治安。
水。
食。
文化。
コンテンツ。
そして信頼。
こうした日本ならではの価値を、世界に届ける時代が始まっています。
私たち一人ひとりの仕事も、実は日本ブランドを構成する一部です。
だからこそ、自社の商品やサービスを売るだけでなく、「日本ブランドの価値を高める存在になれているか」という視点を持つことが、これからますます重要になるのではないでしょうか。
世界が不安定になるほど、「安心できる国」「信頼できる人」「信頼できる企業」の価値は高まります。
そして、その強みを最も自然に持っている国の一つが、日本です。
日本のビジネスパーソン一人ひとりが、この「日本ブランド」という強みを改めて認識し、自らのビジネスに活かしていくことが重要だと考えます。
私たちBMSが普段行っている紹介やマッチングも、突き詰めれば「信頼の橋渡し」です。
先日も日本にある外国人の団体と、BMSで新しい動きをできないかという試行錯誤を行っています。
日本ブランドの根底にある信頼という価値は、実は私たちの日々のビジネス活動の中にも息づいています。
