2026-04-20 会社を潰しかけてわかったこと 答えはJV

リーマンショックのとき、私は会社を潰しかけました。

当時の私は、何が起こっているのかまったく理解できていませんでした。
アメリカのリーマン・ブラザーズが破綻した——ニュースではそう言っている。
けれど、それがなぜ自分の仕事に影響するのか、その「つながり」が分からなかったのです。

受注が減る、取引先の動きが止まる、資金繰りが苦しくなる。
目の前で起きている現象には対応しなければならないのに、その原因が分からない。
まるで、見えない波に飲み込まれているような感覚でした。

今振り返ると、あのときの問題は「経営判断」ではなく、
“世界の構造を理解していなかったこと”にあったと思っています。

それ以降、私は世界経済や地政学を学び直しました。
なぜ遠くの国の出来事が、自分のビジネスに影響するのか。
お金や資源や人の流れが、どうつながっているのか。

そうしたことを理解し始めてから、
同じ「不確実な時代」でも、見え方が大きく変わりました。

そして今、再び大きな波が来ようとしています。

アメリカがイランに対して圧力を強めています。
一見すると中東の問題のように見えますが、その裏側には、
中国の台頭を抑えようとするアメリカの強い意志が透けて見えます。

つまりこれは、単なる地域紛争ではなく、
覇権国家と挑戦国家の衝突という、より大きな構図の一部です。

歴史を振り返れば、この構図は繰り返し現れてきました。
そして、その衝突の影響を最も受けるのは、必ずしも国家だけではありません。

むしろ、私たちのような中小企業こそ、
さらに、サプライチェーン、為替、資源価格といった形で繋がり、
狭くなってしまった世界だからこそ
より直接的な影響を受けます。

では、私たちはどうすればいいのでしょうか。

一つ目は、「遠い話」と切り離さないことです。
ニュースを“自分ごと”として捉えるだけで、見える景色は大きく変わります。

二つ目は、「複数の選択肢を持つこと」。
仕入れ先、販売先、ビジネスモデル——
一つに依存するほど、外部環境の変化に弱くなります。

三つ目は、「つながること」です。 一社でできることには限界があります。
異なる強みを持つ企業同士が連携することで、リスクに対する耐性は大きく高まります。

世界はこれからも不安定になっていくでしょう。
だからこそ、その不安定さを前提にした経営が求められます。

では、その中でどう戦うのか。
私なりの答えは、JV(ジョイントベンチャー)です。

すべてのリソースを自前で揃えるには、あまりにもリスクが大きい時代になりました。

販路は顧客をしっかりと握っている企業と組む。
生産者と直接つながることで、仕入れ価格を適正な水準に抑える。
生産設備は、新たに持つのではなく、既に持っている企業の余剰設備を活用させてもらう。

その上で、自社は何に集中するのか。
私の場合は、ニーズの掘り起こし、そしてそれを形にするためのアイデアや技術の提供に特化することです。
それぞれの企業で、力を発揮できるポイントを絞って、
足りない部分を補い合えるパートナーを探すことに必死になるべきだと思います。

こうした“設備投資を伴わない機動的な動き”を、複数のチャンネルで並行して走らせる。
一つが崩れても、別のラインでカバーできるような構造をつくる。

不確実な時代においては、「強さ」よりも「しなやかさ」の方が重要です。

そして、このような動きが現実的に取れるのは、
信頼できる経営者同士がつながっているからこそです。

私にとっては、それがBMSという場でした。

一社では難しいことも、つながりの中であれば実現できる。
不確実性の時代において、これは一つの“戦い方”だと考えています。