2026-03-30 一年の終わりに考えたい、「利益の出る紹介」と「未来をつくる出会い」
年度末になると、どうしても私たちの目は数字に向きます。売上、利益、成約件数。経営をしていれば、それは当然のことです。むしろ数字から目をそらしてはいけません。ただ、一年を振り返るこの時期だからこそ、数字にはまだ表れていない価値にも目を向けてみたいと思うのです。とりわけ、BMSのような出会いの場においては、その場で利益になる紹介もあれば、少し時間をかけて未来をつくる出会いもあります。
リアルBMSの場でも、目の前の売上をつくろうと真剣に動いておられる方を多く見てきました。その姿勢そのものは、とても大切だと思います。経営者にとって、今日の売上は明日の安心につながります。紹介が具体的な商談になり、受注につながることは、ありがたいことであり、健全な成果です。まずはそこに、しっかり価値があります。
ただ一方で、私は少し気になる場面にも出会います。自社の商品やサービスの対象を、あまりに細かく絞り込みすぎてしまうことです。もちろん、誰に何を届けるのかを明確にすることは大切です。けれども、目の前の相手が「今すぐ買ってくれる人かどうか」だけで見てしまうと、せっかくのBMSの場で広がるはずの可能性まで小さくしてしまうことがあります。商談の糸口を自ら狭めてしまうのです。
実際には、目の前の相手そのものが顧客である必要はありません。むしろ、顧客群を抱えている方、さまざまな企業や人との接点を持っている方をハブにして広げていくことで、結果として大きな売上につながった事例があります。最初は一対一の小さな会話でも、その先にいるお客様、そのまた先にある市場へとつながっていく。そうして生まれる広がりは、目先の受注を一件積み上げるのとは違う力を持っています。
私はここに、BMSの本当の面白さがあると感じています。目の前の人に買ってもらうことだけを考えるのではなく、その人に「一緒に利益を追っていくパートナー」になってもらう発想です。売る側と買う側という一度きりの関係ではなく、どう組めば互いに利益が増えるか、どんな相手をつなげば新しい商流が生まれるかを考える。その視点に立つと、出会いの意味はずいぶん変わってきます。
今のように変化の速い時代には、すべてを自社で抱え込むこと自体が、ある意味ではリスクにもなります。人も機能も案件も、自前で完結しようとすればするほど、組織は重くなり、動きは鈍くなります。もちろん、自社で持つ強みは必要です。しかし、何でも内側に抱え込むことが、必ずしも強さとは限りません。むしろ、誰と組むかによって、小規模なままでも機動的に動ける組織の方が、変化への対応力を持てることがあります。
外部と組めば、自社だけで完結した場合に比べて、利益率は下がるかもしれません。そこだけを見ると、少し惜しいようにも感じます。けれども、経営は率だけでは測れません。営業の入口づくり、信頼の獲得、顧客への到達までにかかる時間と労力を考えれば、すでに顧客群を持つ方や、信用のある方をハブにして広げられる価値は極めて大きいものです。取り分は少し下がっても、営業効率が圧倒的に上がることで、結果として利益総額はむしろ大きくなる。私は、そうした場面を実際にいくつも見てきました。
目の前の利益の出る紹介は、もちろん大切です。しかし、それだけを追いかけていると、出会いが点で終わってしまうことがあります。未来をつくる出会いは、そこから線になり、やがて面になっていきます。今年一年の終わりに振り返りたいのは、いくら売れたかだけではなく、どんな人と出会い、どんな可能性の芽が生まれたかということではないでしょうか。
新年度もまた、目の前の成果を大切にしながら、その先にある広がりを見失わずにいたいものです。紹介を受注の入口としてだけでなく、共に利益を育てる関係の入口として捉えること。その発想の転換が、次の一年の景色を大きく変えていくのだと、私は感じています。
