2026-01-05 2026年の年始にあたり
新しい年を迎えるにあたり、皆さまと共に2026年の展望を考える機会としたいと思います。
昨年、日本政府は長らく続いた緊縮的な財政運営から「責任ある積極財政」へと大きく舵を切りました。この政策転換は、間違いなく日本経済にとって追い風となるものであり、景気の底上げに向けた動きが本格化すると見ています。ただし、政策の効果が実体経済に波及するには一定の時間を要します。そのため、すべての分野が一斉に潤うわけではありません。「ワイズ・スペンディング(賢い支出)」という政府の方針のもと、選ばれた分野に優先的に予算が投下されていきます。時代の流れを正確に読み、波が生まれる分野にいち早く気付き、乗り遅れない姿勢がこれまで以上に求められます。
一方で、世界に目を向ければ、「ブーカ(VUCA)の時代」という言葉がますます現実味を帯びています。地政学的リスクは依然として高く、経済・軍事・環境といった複合的な課題が各地で交錯しています。こうした不確実性の高い環境だからこそ、私たち経営者には「変化を前提とした柔軟な構え」が必要です。悲観的な見通しに足を取られるのではなく、むしろその中にこそ新たなビジネス機会が潜んでいる——そう捉える姿勢が、次の一手を導き出す鍵になると考えます。
特に注目すべきは、AIの進化が社会構造そのものに与えるインパクトです。多くの業務が自動化される中で、「仕事を通じて成長する」経験が得づらくなり、とりわけ若い世代が実社会での実践を積む機会を奪われつつあります。これは雇用の問題であると同時に、人材育成という観点からも深刻な課題です。
こうした社会的な構造の変化や、それに伴って生じるズレや不安に対し、どのように応えていくべきか。単に新しい技術に乗るのではなく、それによって生じる空白を埋める、あるいは新たな価値に転換するようなビジネスの視点が求められています。たとえば、若者が「学びながら働く」ことを可能にする仕組みや、企業が経験機会を社会に提供するような新しいサービスの構想が考えられます。そうした構想を具体化するには、多様な視点と実行力が欠かせません。
そういった社会的な課題にスピーディーに取り組むときにこそ、BMSという場が真価を発揮します。1社では解決できないテーマに対し、志ある仲間と知恵やリソースを持ち寄ることで、新たな事業が生まれ、社会に貢献する道が開けていく。私自身、これまで何度も「信頼できる仲間」との連携によって、大きな一歩を踏み出せた経験があります。志を同じくする経営者やビジネスパーソン同士が出会い、力を合わせることで、思いもよらぬスピードで成果が生まれることがあります。そうした可能性の場として、私たちのビジネスマッチング・ネットワーク、BMSをぜひ積極的に活用していただければと思います。
後ろを向いても、現状は何も変わりません。だからこそ、前を向いて、一つひとつの課題と真剣に向き合う。そして、それを自社の強みに変えるような工夫を重ねていく。課題解決の道筋を、商品やサービス、あるいは新たな市場創出というかたちで実装していく。そんな柔軟な発想と行動力が、2026年を切り拓く力になると信じています。
本年も、皆さまの挑戦と飛躍を心より応援しております。
