2025-07-14 選挙から見える社会の変化と経営者の視座

参院選がいよいよ迫ってきました。身近な人で期日前投票に行ってきたという方もちらほらいらっしゃいます。早いもので、「何が争点なのか?」というコラムを書いたのが、もう1ヶ月以上前になります。予想通り、消費税、物価対策、防衛、エネルギー政策など、主要なテーマが争点となり、各党からそれぞれの立場に基づいた議論が繰り広げられています。

とりわけ私が注目しているのは、物価高対策や税制への各党の姿勢、そして参政党の大躍進、公明党が提案した政府系ファンドの構想です。

まず、物価高対策や税制の議論では、消費税の扱いや所得減税の是非が再び俎上に載り、「国民の可処分所得をどう増やすか」という視点が、より鮮明になりました。これは、私たち中小企業の経営者にとって、消費の動向や社員の実質賃金に直結する重要なテーマです。企業活動は需要があってこそ成り立ちます。だからこそ、税制が景気に与える影響を真剣に考え、「何に使うか」以上に「どのように取るか」に対して、もっと敏感になるべきだと考えます。これまでの税制に対して意見を伝えているのは、経団連を中心とした大企業が主体であり、我々のような中小企業経営者の声が国政に届いていない現状に、問題意識を持つべきだと感じます。

参政党の躍進には、正直驚かされました。旧来の政党に対する不信感や、既存の枠組みにとらわれない自由な言論を求める声が、これほどまでに強くなっていたのかと、肌で感じます。政策の中身もさることながら、「本音で語っている」という姿勢そのものが、多くの有権者の共感を呼んでいるように思えます。

さらに、目新しい動きとして、公明党から出された「政府系ファンド」設立案も興味深いものでした。過去には郵政民営化で一度解体されたような政府主導の資金運用を、再び「国の戦略」として位置づけようとする試みです。もちろん、天下りや不透明な運用への懸念はありますが、官民連携で未来産業に投資するという方向性そのものは、日本の低成長に風穴を開ける可能性を秘めています。

いずれの動きも、「お金の使い方」「財源の確保」「国家の関与の度合い」といった、経営にも直結する論点が問われていますが、根底にあるのはやはり「今のままで良いのか?」という、国民の漠然とした不安や問いかけのように思います。

そうした空気の中、今回の選挙を通じて感じたもうひとつの変化があります。
それは、「政治を話題にしやすくなった」ことです。以前は、職場や親しい友人との間でも、政治の話題を避ける空気が濃厚でした。「思想の押し付けになるのではないか」「喧嘩になってしまうのではないか」という配慮が、沈黙を生んでいたのです。しかし今、SNSや動画メディアを通じて自分の意見を語り、他者の意見を聞く機会が格段に増え、政治的な立場の違いを冷静に議論する文化が、少しずつですが根付き始めているように感じます。

その変化は、BMSの運営の場でも感じることがあります。特にリアルBMS後の懇親会で、政治の話題が出ることが多くなりました。ビジネスを共にするということは、将来へのビジョンや価値観の共有が不可欠です。そこに政治や社会の課題への関心という視点が加われば、より深いレベルでの理解や協業の可能性が生まれるように思えます。

このコラムで政治の話題を取り上げていること自体が、その象徴かもしれません。今後、どの政策を選ぶかは人それぞれですが、こうした社会の動きが、最終的に「投票率の向上」へとつながることを願ってやみません。関心を持つこと、語り合うこと、その先にこそ、より良い社会があると信じています。