2024-06-03 消費税の還付金は事実上の輸出補助金

今まで国内だけの商売を行ってきたのですが、昨年海外との取引をする機会がありました。その折に、消費税の還付の申請をしました。これが今までにない体験でした。輸出入に関わる仕事をしていらっしゃる方からすると、きっと当然のことなのでしょうが、私からするととても不思議に感じましたのでシェアしておこうと思います。

仮に企業社が1,000円の商品を作るときに、原価率4割とすると400円の仕入れが発生し、消費税10%を加えて440円の支払いが発生します。通常この商品を国内では1,100円で販売しますが、商品を輸出する場合には日本国内での消費ではないため消費税が発生しません。そうするとすでに払ってしまっている40円分の消費税はどうなると思いますか?なんと輸出後にこの企業に還付金として戻ってくるんです。実際にこの40円の納税をしているのは、下請けの中小企業なのに、受け取るのは輸出をした企業です。4%の税引き後の利益がどんと乗ってくることになります。

黒字の出ている中堅・中小企業の平均営業利益率は5.2%だそうです。上記の企業が仮に輸出だけで成立している企業だったとすると、この消費税の還付金だけで利益の8割程度が出ていることになります。

こうやって文字にしてみると上手く伝わるかどうかわかりませんが、還付金というよりも、輸出補助金の性質が強い仕組みだと感じました。GATTなどの貿易障壁を取っ払おうという国際協定に違反しないのかな?と心配になるほどおいしい仕組みです。

国民から10%のマーケットを強制的に吸い上げておいて、そのお金は輸出をできるような大きな企業に戻していくという、かなり不平等な仕組みだと感じました。

BMSに参加されている企業は中小零細企業が多く、国内での商売に終始している会社が多いかと思います。一方で上記のような儲かる仕組みの恩恵を受けている企業を代表する経団連の会長が、昨年「消費税の増税から逃げてはいけない」と発言しています。その記事を読んだときは正直ピンとこなかったのですが、結局のところ自分たちが儲かるからそういう発言が出るのだと今回の経験を通じて理解しました。上場企業の内部留保が溜まりまくっているのも納得が行きます。

収入の少ない人程負担が重くなるという、消費税の持つ逆進性については今まで多くの場で議論が行われていますが、この輸出補助金的な性格を強く持つ還付金の逆進性についてはあまり見たことがありません。ビジネスパーソンたるものこの仕組みを理解したうえで逆手にとって儲ける方法を探すぐらいのバイタリティは持ちたいものですが、そもそもこれらの税に対しての理解や学ぶ機会といったものが少なすぎる気がしています。

中小零細企業にとって、国境を越えたニーズの開拓や、輸出に取り組む諸々の手続きなどは中々は乗り越え難いハードルではありますが1)翻訳者、2)通関士、3)ターゲットとする国での営業支援サービスを提供する会社、といったパートナーがいればはじめの一歩を踏み出せます。3)はエリアに寄りますが、いずれもBMSでパートナーを見つけることが出来ます。ぜひBMSを有効に使って変わりゆく情勢に合わせた企業の進化を模索してもらいたいと思います。